人と人をつなぐ「たすき」となり
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にのだん社会保険労務士事務所だより「たすき」令和5年11月号(No.48)
【①開業5年目を迎えました】
11月1日は社会保険労務士として開業登録した日であり、同時に事務所を立ち上げた私にとっては大事な記念日となっています。丸4年が過ぎ、今までの業務に関連して出会うことの出来ました、たくさんの事業所様やご担当者様、そして社労士の先生、他の専門家の皆様には感謝の気持ちで一杯です。
開業当初と比べると、業務対応の幅は断然に広がったと感じます。もともと社会保険以外については実務経験が豊富であった訳ではなく、社労士事務所での勤務経験もありませんでした。しかし、時を重ねながら様々な仕事の機会を頂き、自身の中では実務経験が乏しかった労働保険の分野についても、代理手続きの機会を頂きながら経験値も広がりました。
また開業前に苦手意識の強かった年金業務についても、年金事務所での窓口業務経験が私にとって大変有意義となりました。その他、就業規則や各規程の作成、助成金の書類作成など4年の時間を経て、ひと通りの業務はこなせる自信もつきました。
そして私にとって一番大きな経験は、人前で話すセミナーなどの講師の仕事です。緊張しやすい性格で一番の苦手でしたが、今までたくさんお話する機会を頂いたことに感謝しかありません。
まだまだ努力が必要でありますが、先月10月も「同一労働同一賃金」「年金の基礎知識」「最低賃金」「業務改善助成金」をテーマに開催しました。これからも人事労務管理の専門家として地道に活動を続けて行きますので、何卒よろしくお願い致します。
※証明書を提出するタイミングは収入が大幅に増え始めた時や扶養調査が行われる時期(協会けんぽであれば毎年10月下旬頃から)が妥当だと想定されます。
【②「年収の壁」対策が示されました】
先日、厚生労働省から「年収の壁・支援強化パッケージ」が公開されました。いわゆる「106万円の壁」「130万円の壁」について壁を理由に就労制限が起こらないよう国が支援する内容となっており、今回の事務所だよりでは、それぞれの支援策についてご説明したいと思います。
まず「130万円の壁」については、医療・年金制度における扶養配偶者(パート勤めの奥さんなど)の認定基準となる「年収見込みが130万円未満」を維持するように仕事を制限している現状が、労働力不足や労働生産性の弊害になっているという考え方をもとに、収入が一時的に上がったことにより年収見込みが130万円以上になる場合であっても、扶養している側の事業所が証明書を提出することで扶養からの削除を猶予する支援策になっています。
スタートは今からで間違いないですが、猶予がいつまでなのか(2年間と言われているが最終日がどこになるのか)客観的判断基準が見えていない支援策になっています。先月もお伝えしましたが、年金記録にも関わる重要な部分となりますので、不公平感の発生しないルールになることを祈りたいです。
次に「106万円の壁」についてですが、先程のように年収130万円未満かどうかに関わらず、社会保険適用拡大※(社会保険加入従業員が101人以上の事業所で勤務する場合、週20時間以上勤務や基本給等月額8.8万円以上の従業員も社会保険に加入しなければならない)ルールにより、年収106万円前後の収入であっても社会保険料負担が発生する不公平感を補うために、今回新たに社会保険に加入する短時間労働者に賃金の15%(社会保険負担額に相当)以上を追加支給した場合、事前に計画書を提出することで、一人当たり最大50万円が助成されるキャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)の申請が可能になりました。
あわせて被保険者が標準報酬月額10.4万円以下の場合、社会保険料負担額(被保険者分)を上限に事業所が社会保険適用促進手当の名称で支給した場合、社会保険料負担軽減措置(2年間)も同時に活用出来る仕組みとなっています。
※令和6年10月以降、社会保険適用拡大は51人以上の事業所規模に変更されます。
~最後までお読み頂きありがとうございました~